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無理数は有理数よりも遥かに多い?【カントルの対角線論法】 [数学研究室【一般向け】]

これまで集合論に関して,なるべく分かりやすく記事を書いてきましたが,今回はひとつの区切りというかゴールになるのではないかと思います。

つまり,無理数は有理数よりももっと多く存在しているという事についてです。

この事は,1874年にカントルよって区間縮小法に基づく背理法で証明されたのですが,後に有名な対角線論法により,自身で改めて証明をし直したそうです。

数直線上の点はすべてある実数を表しています。
実数は分数で表すことのできる有理数と,分数で表すことのできない無理数とでできています。
数直線は有理数の点でびっしりと埋め尽くされているのですが,それにも関わらず,無理数は有理数よりももっと高い濃度で数直線上に存在しているのです。

数直線は有理数の点と無理数の点の集まりでできています。そもそも不可能な話ですが,例えば0から1の間の数直線を,有理数の点と無理数の点に分けることができたとしましょう。有理数の点だけでも無限にあるのですが,実は無理数の点はそれ以上に多く存在しているということです。

このことは,無限にも階級(ランク)のようなものがあるという事を示しています。

簡単に言えば,順番を付けて並べることができるような無限を「可算無限」,順番を付けて並べることができない無限を「非可算無限」と言い,有理数点は可算無限であるのに対し,無理数点は非可算無限であるということです。可算無限は例えば偶数全体のように,1つひとつの元に順番をつけて無限に並べることができますが,非可算無限はまるで液体のように,1粒1粒並べたとしても,粒がさらに細かく分かれて並べることが出来ないようなものなのです。

記事ですべてを書くことは大変でしたので,プリントにしましたが,なるべく分かりやすく書いたつもりですので,ぜひご一読いただいて,無限の不思議を少しでも読者の皆さまと共有できたらと思います。
無理数の濃度-01.png
無理数の濃度(Page 1)
無理数の濃度-02.png
無理数の濃度(Page 2)

※本記事から初めて読むと難しと思いますので,以下の関連記事を上から順に読んでいただけると,より内容が理解できるかなと思います。

<YouTubeチャンネル>


<関連記事>
偶数と整数は同じ個数?
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実数全体も0から1の間の実数も濃度は一緒?

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タグ:無限
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絵本のまち有田川

自然数は、[絵本][もろはのつるぎ]で・・・
by 絵本のまち有田川 (2020-01-24 13:47) 

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