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迷惑な不動産の営業にも意外な一面 [その他の話]

迷惑な訪問としてNHKの集金人や新聞の勧誘,不動産の営業など色々とありますが,私の家にも一度迷惑な不動産の営業が来たことがあります。

ただ,私の場合珍しいことが起きました。

数年前,忘れもしない12月25日です。
世間はクリスマス一色に浮かれている中,私の家のチャイムが鳴りました。
13時頃だったと思います。

出てみると,25歳くらいの短髪で見た目は若干ロックバンドでもやっていたかのような雰囲気のスーツを着た男性だった。

自分がどこの何者かも言わずに,この辺りで住まいに関するお話をさせていただくために訪ねて歩いているのだとか。
「営業なら結構です」と言ったら,
「え,営業なんて言ってないですよね。ちょっとお住まいに関するお話をさせていただいているだけなんですが,それでもだめなんですか?」
「そもそも営業だったとしても,だからといってお話すらさせてもらえないなんて,酷いですよね?」
など,とにかくしつこい。
今となっては,すぐにドアを閉めておけばよかったのですが,迷惑営業が来たのはそれが初めてだったので,少しくらい話を聞こうとすると,いつまでも終わらない。
今後のことを考えると一軒家を買っておいた方がいいだの,一軒家を買ってから引っ越してたとしても,実は損はしないなんだの,一向に終わりの見えない話が続き,
「何の話をしてるんですか? 家なら買う気はありませんよ」
と言っても,
「え,私はただお住まいについてのお話をさせていただいているだけなのですが,家を売りつけているように聞こえました? どうしてそう思ったんですか?」
と,あたかもこちらが悪いことを言ったかのような質問をしてくるので,
「どう見ても営業でしょう。時間がないんで,帰ってもらえますか」
と言うと,
「どうして営業だって決めつけるんですか? そもそも時間がないって,私みたいな人間だと相手にする時間もないっていうんですか?」
と,もはや何を言ってもつっかかってくる。
1時間くらい経った時,もう一人の男性がやってきた。
ちょっと大柄の一見優しそうな雰囲気の人だった。
「すみません。そいつの上司の者ですが,ちょっと時間がかかってると思って様子を見に来ました。もし何か不手際などありましたらすみません」
と言う。
こちらとしては,さっさと帰ってほしいのだが事の顛末を話すと
「なるほど,そいつは新人だったので説明不足などあったかもしれません」
で,また住まいがどうのこうのと,どうでもいい話が始まった。
今の住まいと収入や仕事上の引っ越しの可能性がどうのこうのという話をし出し,
「お仕事は何をされてるんですか?」
と聞かれたので,
「それは個人情報なのでちょっと言えないです」
と言うと,
「え,何で言えないんですか? 職業なんて個人情報じゃないですよ。それとも私たちみたいな人間は信用すらされないから言えないんですか?」
と,つっかかってくる。
もう面倒なので,
「そりゃあそうでしょう。だってあなたたち,自分がどこの会社の者かも言ってないでしょ。そんなどこの誰かも分からない人に自分のこと話せませんよ,もうだいぶ時間も経ってるんで,すみませんが帰ってもらえますか?」
と強めに言うと,態度を一転させ,持っていたバインダーを地面に投げつけ,
「もう客だとか営業だとか関係ない! あなたという人間はとても失礼だ! 出てきて謝りなさい!」
と,キレ出した。
もう相手にするのも面倒になり,当然謝る気もないし,さすがに外に出るのは危ないと思い,
「なんでこっちが謝るんですか。いいから早く帰ってください」
と言うと
「家も買えないような貧乏人なら初めからそう言え!(初めから買う気はないと言っていたのだが)安心してくださいよ,もうこんなとこ来ませんから!」
と捨て台詞を吐いて帰っていったのだ。

時間はすでに2時間半を過ぎていた。

以上が,私が体験した迷惑営業の話です。

ただ,私の場合はまだ良い方で,本当に酷い方の場合は,不動産の営業で5時間以上,夜中の12時まで居座られたという話も聞きます。

で,意外なこととは何だったのかというと,それから1年くらい過ぎたある日,再び家のチャイムが鳴り,出てみると再びあの時の短髪のスーツの男性だった。

今考えると,普通は出ないですよね。

しかし,様子が変だった。

「実は,僕あの会社辞めたんです。それで,今まで回ってたお家に改めてお話が聞きたくって。でも信じてもらえないですかね?」
と言う。話し方も,最初に来た時のような嫌な感じはしなかったが,半分疑いながらもちょっと話を聞いてみると
「もうあんな会社にいるのが嫌になって。あの時どうでした? 正直嫌でしたよね?」
と言うので,
「まあ,普通は嫌ですよね」
と返す。
「あ~,やっぱりそうですよね。自分が今までお伺いしてきた方に,あの時どう思っていたのか知りたくって,今こうして回ってるんです。人に嫌われることばっかりするこんな仕事が嫌になって,もうあの仕事を辞めたんです」
と,どこかさっぱりしたような様子で話し,
「本当にあの時は申し訳なかったなと思いまして・・・すみません。もう帰りますね。ありがとうございました」
と,帰っていった。

以前居座られた記憶から,また居座られたら嫌だなという気持ちもあり,
「そうですか」
としか返せませんでしたが,迷惑な営業の仕事をしている人の中にも,本音ではそんなことをしたくないと思っている人もいるのだと,意外な一面を見た気がしました。

すんなり帰って行って,その後も何もなかったので,本当に嫌になって仕事を辞めたのだと思います。
その時は言えませんでしたが,
「これから頑張って」
とエールを送りたい気持ちにすらなりました。

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